ISO/TC130(印刷技術の国際規格)は画像と印刷に関わる国際標準の規格を担当しています。ISO/TC130は1986年に創設されたISO(国際規格を制定発行する機関)の技術委員会です。国際規格の審議制定に関わる投票権を持つ国は21カ国、オブザーバーとして24カ国が参加しています。
1990年代は材料に関わる国際規格が多く発行されましたが、2000年に入ってからは品質管理に関わる国際規格が増加、最近は品質管理の運用面に資する実践的な内容の国際規格の開発も行われています。ISO規格は産業技術の分野ごとに整っていますので、例えばISOの品質管理規格に適合する品質管理の社内体制を構築等する場合に当該の産業分野の規格(印刷であればTC130が扱うISO規格)は、たいへん有力なツールとなります。
ISO/TC130の場合、印刷の用途や対象は世界的な観点で広がっていることから、関連する技術用語の公開の準備、印刷に使用するデジタル・データの形式、カラー印刷の品質管理、印刷された画像の品質評価、印刷で使用される印刷版サイズの標準化(印刷版サイズは同じ印刷用紙を印刷する場合でも印刷機メーカーによって異なります)、多数色のインキを使用するカラー印刷の規格等の開発が進行中です。
国際規格は世界レベルの標準として日本の国内で品質管理に利用するのみならず海外でのビジネス展開、とりわけ実務に関わる標準が十分に整っていないケースでは優れた効能が期待できます。
ISO/TC130では国際規格は本来の規格として役立つことに加えて、国際規格を作成している段階の規格案の審議過程での情報、規格で扱う数値の背景、各国の個別事情、市場の実態情報に触れる機会が多くあります。審議過程では検討中の規格案の内容の細部について詳細なディスカッッションが記録作成と同時に行われます。[pdf-embedder url=”http://prtstd.jp/wordpress/wp-content/uploads/2019/12/ISO_CD_2836_RoC_事例紹介_透かし入り_20191218.pdf”](この事例では印刷インキの物性評価のディスカッションの様子がうかがえます) 参加する各国の利害に関わることが多いために通常のビジネス活動では把握出来ないような情報に触れること機会が多くあります。
ISO/TC130の国際会議の開催は、2020年春季がドイツのベルリン、2020年秋季がオーストラリアのシドニー、2021年秋季に東京で開催されます。
2021年秋季は東京での開催なので出席が海外開催より容易となります。国際会議ならではの情報入手ができます。
ISO/TC130への参加、2021年秋季の東京で開催する国際会議については下記へご連絡ください。(写真は2018年10月の東京のISO/TC130国際会議)
連絡先メールアドレス
tc130jp@prtstd.jp